インディカーの頭脳に迫る

2015年08月16日



現在のインディカーは一つのコンピューターユニットでほとんどの機能がコントロールされています。このユニットをECU(エンジンコントロールユニット)といい、マクラーレン・アプライド・テクノロジー社のものをすべてのレースカーが使用しています。



ECUは1秒間に600万ものデータ処理を行い、エンジン燃焼、エンジン回転数、ターボチャージャー、トランスミッション、クラッチユニットなどの動作をコントロールしています。

マクラーレン製のECUはF1やWEC、NASCARなどでも使用され、基本チップであるCPU(中央演算処理装置)はフリースケール社のものを使用して、それぞれのシリーズに最適化されたECUが使用されています。

CPUの性能はMIPS(ミプス)という単位で評価します。MIPSは100万命令毎秒 (million instructions per second) の略です。

F1やLMP1(ルマンプロト)で使用されている「TAG-320」の性能は7,000 MIPSで、インディカー用の「TAG-400i」の性能は600 MIPS。NASCAR用の「TAG-400N」は87MIPSとなっていますが、これらのMIPSが違うのは各レースシリーズのレギュレーションによってリアルタイム記録(データロギング)、テレメトリー(データ送信)、リモートコントロール(データ送受信)などの扱う量が違うからです。

インディカーの「TAG-400i」がコントロールするのは点火、燃料噴射、スロットル、ターボですが、それぞれの部分で実際に機能するパーツとをつなぐインターフェイスユニットは非常に複雑なもので高い信頼性が要求されます。

さらに、インディカーでは長時間での全開走行があるので、燃料噴射量の細かなコントロールと精密な点火タイミングが必要です。2012年から採用された「TAG-400i」はこれまでよりも処理能力が10倍近くアップし、データ伝送能力が大幅に上がっています。

CPUをコントロールするソフトウェアもマクラーレンが供給し、ホンダ、シボレーともに同じものを使用してそれぞれエンジンマニュファクチュアラーが独自にプログラミングして使用しています。それぞれのプログラムはインディカーにも提出され、不正がないか常にチェックされています。