ブルデイの命を救った数々のインディカーの安全対策

2017年05月21日



今回のブルデイのクラッシュと1982年のゴードン・スマイリーの事故との対比がネット上では多く語られていますが、クラッシュの状況はかなり似ていますが、取り巻く環境は大きく変わっています。その結果、ブルデイの命は救われたといえます。

①SAFERウォール
まずSAFEウォールの効果は絶大でした。詳しくは下記リンクにあります。
http://blog.gaora.co.jp/indy/2017/05/20981


②シートテクノロジー
http://www.indycar.com/Videos/2017/04/04-04-Professor-B-seat-technology

レースカー側の安全対策としてカーボンコンポジット素材で頑丈なモノコックになっている他に、インディカーのシートの安全性は見逃せません。発砲ポリプロピレン製のシート自体がつぶれることで衝撃を吸収するほか、シートの下にも衝撃吸収フォームが1.2インチ(約3cm)、背中側にも3インチ(約7.6cm)の厚さで装着されています。頭の周りには大きなヘッドプロテクターが装着され頭部への衝撃を吸収しています。

③HANSデバイス
http://hansdevice.com/Home.html

ヘッド・アンド・ネック・サポートの略でNANSデバイスと呼ばれています。前面衝突によって頸椎が伸びることを防止し、頭蓋底の損傷など致命的な負傷を防止しています。今回のブルデイの事故もヘッドオン(正面から)でウォールに激突しているのでかなり効果的だったはずです。

④セーフティーチーム

医療や消防、救急救命の現場で長いキャリアを積んだ専門スタッフによるセーフティチームが90年代に結成されすべてのレースにその専門チームが帯同しています。アクシデント発生から20秒以内に救出作業を開始し迅速にケアセンターに搬送できるようにチームは高緯度に訓練されています。メンバーには過去様々なドライバーの外科手術を行ってきたテリー。トラメル博士など外科医学界の権威も含まれています。

⑤コース形状の変更
https://www.youtube.com/watch?v=HCyRpaCYFFw
1992年まではピットアクセスロードがなく、コースエプロンを通ってピットアウトしていましたが、レース中はほとんどのレースカーがコースエプロンを大きくインカットして走行していました。なのでレースカーがコントロールを失った場合はかなり深い角度でウォールにヒットケースが多く深刻なクラッシュになっています。1992年のジェフ・アンドレッティやネルソン・ピケはリアが流れてスピンし、ノーズからウォールにヒットしています。ゴードン・スマイリーのケースはこれとは違いますが、スピードウェイは1993年にインフィールド側にピットアクセスロードを設置してエプロン部分を狭めてインカットできないようにしています。

今回のブルデイの怪我はかなり深刻なことは間違いありません。確実な回復を祈るばかりです。