インディ500でのヘリ搬送基準

2014年10月10日

インディアナポリスモータースピードウェイ(IMS)から車で10分くらいのところにかの有名なメソジスト病院があります。


スピードウェイで大クラッシュがあると必ずここに搬送されるので、インディ500月間中は万全の態勢でERがスタンバイしています。

スピードウェイからメソジスト病院までは16thストリート1本道なので救急車でもノンストップで10分かかるかどうかという距離ですが、生命に危険がある状況ではこの距離でさえもドクターヘリで搬送します。ドクターヘリには高規格救急車と同じ医療資器材が搭載されています。

ちなみに横浜市消防局のヘリコプター、はまちどり2号にも高規格救急車と同じ装備が施されています。1999年ごろに横浜市消防局の車両プロモーションVを制作した時に取材しました。

つまり、重篤な状況である時はたった10分の陸送も選択肢には入らずにヘリ搬送となります。陸送では交通障害に巻き込まれる可能性や、傷病者に加減速遠心力のショックを与える可能性が排除できないからです。

なので、インディアナポリス モータースピードウェイでは大事故発生後にヘリコプターが離陸すると”重い空気”に包まれます。

しかし幸いにも2002年にセーファーバリアー(衝撃吸収バリアー)が設置されてからはクラッシュでのヘリ搬送は1度もありません。おそらく1996年のスコット・ブレイトンが最後だったかと思います。

IMSでクラッシュでドライバーがメソジスト病院へ搬送されると、IMS発表の公式リリースには必ず救急車(Via ground)かヘリ(Via air)かどちらで搬送されたかがわざわざ明記されます。

2010年ポールデーに琢磨選手がクラッシュした時のリリースです。
Medical update from Dr. Geoffrey Billows, Indianapolis Motor Speedway director of medical services: #5 Takuma Sato is awake and alert and being transported via ground to Methodist Hospital in Indianapolis for X-rays and further evaluation due to tenderness in his back. A further update will be provided when available.

このvia groundという表記を見ると少なくともその時点では命は取りとめたことが理解できます。

2000年のインディ500予選で松田さんがクラッシュした時も大事故でしたが、その時は救急車でした。ヘリ搬送ではなかったことを松田さんはずいぶんと悔しがっていましたが・・・。