国内レースのチーム無線公開は法的に可能

2015年07月08日



今から30年くらい前に電話級アマチュア無線技士免許を取得し、24年前に第一級陸上特殊無線技士免許を取得し、先日に第一級海上特殊無線技士免許を取得し、今度は第三級海上無線通信士免許にトライする私が通りますよ。

今やインディカーをはじめF1やNASCARのTV中継でチーム無線を取り扱うことは当たり前になっていますが、日本のレース界ではいまだにチーム無線を公開しようという動きはありません。残念な限りです。

おそらく、この一文がネックになっていると思われますが。条文の解釈次第で十分にクリアできます。


電波法 第59条(秘密の保護)
何人も法律に別段の定めがある場合を除くほか、特定の相手方に対して行われる無線通信(電気通信事業法第4条第1項又は第164条第2項の通信であるものを除く。第109条並びに第109条の2第2項及び第3項において同じ。)を傍受してその存在若しくは内容を漏らし、又はこれを窃用してはならない。


罰則:第109条 一般人にあっては1年以下の懲役又は50万円以下の罰金、無線に従事する者であれば2年以下の懲役又は100万円以下の罰金が科せられる可能性がある(暗号通信の復元や窃用等は「109条の2」を参照)

罰則は置いておいて、第59条の本文内の言葉を吟味して行きましょう。

先ずは「傍受」。
情報通信振興会 電波法要説第5版 p236によると、
「傍受」とは、積極的意思をもって、自己に宛てられていない無線通信を受信することである。無線通信は、通常の場合無線設備のダイヤル操作によって何人で、も受信しうるものであるが、積極的意欲をもって受信すれば、その時点で傍受したものと解される。
とあります。

つまり、無線通信を行う特定の相手方に「レース場内の観客等」も含めてしまえばいいのです。
そうすれば、これは「傍受」ではなくなりただの「受信」となります。


これはレース主催者(JRPやGTAなど)がレギュレーションに「チーム無線は観客も聴くものとする」と明文化してチームの了承をとれば、「通信の秘密の保護」の必要がなくなり、よって電波法 第59条(秘密の保護)の違反とはならなくなります。

第59条は通信の秘密の保護を目的とするものなので、秘密がなくなれば適用できません。

たとえば消防無線は記者クラブなどでも常時受信されていて、新聞記者やTV取材班はその情報をもとに現場に駆けつけます。なので、無線局免許状に記載された通信の相手方以外でも「受信」が許可されていれば受信して第三者に情報開示することも可能なのです。

無線局免許状では”通信の相手方”としては「免許人所属の簡易無線局」と特定していますが、受信対象は限定していません。

なので、レース無線も同様にスタンドも観客も「受信対象」としてしまえば、観客同士で通信内容を話すことも問題なくなります。TVでも流せます。

F1などがリアルタイムでチーム無線をTVに流さずに若干ディレーさせて流すのは、単に放送に不適当な言葉(Fワード)などが入らないようにするためです。

日本のレース界からは「チーム無線が他人に聞かれたら作戦が漏れてこまる」などという声もありますが、賞金額が桁違いのインディカーやNASCARは生放送でもバンバン作戦内容の無線がTVに流れます。スタンドの観客もそれをリアルタイムで聞いています。

それらのレースでは無線で作戦内容が漏れてしまったために勝ちを逃したなどという話は聞いたことがありません。

当然、チーム無線だけではなくレースコントロール無線なども観客に聴かれることになりますが、第三者には秘密にしておきたい内容は通話コードなどを用いることで十分に対処できます。

琢磨選手のインディカー初優勝となったロングビーチ戦ではチェッカーフラッグの瞬間はあえて村田さんたちにはあえて黙ってもらって、チーム無線を聞かせるようにしました。

そうすれば、ヘルメットで決して見ることができないドライバーの表情や様子も無線を通じて見えるようになるからです。あの時は琢磨選手の表情がよく伝わってきました。古いところではアイルトン・セナがブラジルGPで初優勝した時の雄叫びもそうです。

ただでさえ、日本のレースではドライバーの知名度がアスリートとしては一般的に低いので、チーム無線を活用してドライバーの仕事ぶりをもっと可視化してアピールするべきだと思います。

GTアソシエーション代表の坂東さんには10年以上も前から無線公開を訴えているのですが、なかなか進みません。坂東さんとは20年くらい前から番組制作でご一緒させていただき、GAORAでもスーパー耐久シリーズ中継やWTCC中継の解説でご出演いただいていました。

現場の関係者やディープなレースファンはドライバーのキャラをよく知っていたとしても、家で一緒にTV観戦しているマニアではない人たちにもレーサーの顔と名前とキャラクターをもっと知ってもらう必要があると思います。

ちなみに我々GAORAインディカー中継では、レースファンのお父さんがTV観戦している横で何気なくちら見していたレースファンでもなんでもないお母さんが「いつの間にかにひいきのドライバーを見つけている」くらいの状況を作りだしたいと考えています。

Jウィルソンがシーズン残り5レースに参戦

2015年07月08日



アンドレッティオートスポーツは今週末のミルウォーキー戦からのシーズン残り5レースで#25にJウィルソンを起用すると発表しました。

ウィルンソンは今シーズン、アンドレッティオートスポーツからインディGPとインディ500の2レースに参戦し、それぞれ24位と21位に終わっています。


合わせてデイルコインレーシングはこのミルウォーキーとアイオワの2レースでトリスタン・ボーティエとピッパ・マンを乗せることを発表しています。ラスト3レースに関してのアナウンスは現時点ではありません。