仕事に追われたレーススチュワード

2016年04月26日



2週連続でのレース開催でしたが、レースコントロールスタッフも大忙しでした。

サッカーやフットボールでのレフェリーや野球でのアンパイヤーのようにインディカーのレースコントロールルームにいた3人のレーススチュワードは決して感謝されることがない作業に忙殺されていました。

アラバマグランプリも佳境に差し迫った残り9周のところで、レースをリードしていたSパジェノーとそれを追いかけるGレイホールが接触しましたが、レーススチュワードは重大な決断を迫られました。

結果的にペナルティはありませんでしたが、いかなる結果にせよ、言い分が異なる両者を納得させる裁定を下すことは不可能です。

今回の裁定に対してのSパジェノーの言い分は、
「向こうが無理に突っ込んできた。あそこは抜けるコーナーじゃない。レースには勝ったのでこれ以上の言及は避けるが、本当に頭にくる。あとで彼を抜き返したがアレが正しいやり方だ。」

一方でGレイホールは違った見方をしています。
「彼がブロックしてきた。明らかに寄せてきている。あれは完全なレーシングアクシデント。その後に彼が仕掛けてきたときにこっちは十分なスペースを空けておいた。やろうと思えばブロックして抑えることもできたがそれはしなかった。」

それぞれの言い分はありますが、NBCSNで解説を務め、現役インディカードライバー時代には数々の罰金裁定を食らってきたポール・トレイシーは今回のレーススチュワードの裁定を支持しています。
「オンボード映像を見る限りではパジェノーはブロックをしていた。一度寄せてからもう一度寄せていた。レイホールはパジェノーのインサイドに入ったのにパジェノーは寄せてきていた。これは完全にレーシングインシデントだ」とコメントしています。

レースコントロールが出したこの結果に対してCキンボールのファンは疑問の声を上げるかもしれない。キンボールは9周目にJヒンチクリフをブロックしたとして順位をヒンチクリフに順位を譲るように言い渡されています。

レースコントロールの裁定をなじる声が出るのはいつものことですが、ラスト5周でパジェノーがレイホールを抜き返す時にホークスワースに接触してフロントウイングの破片が飛び散ってコース上に落ちましたが最後までバトルをさせるためにフルコースイエローは出しませんでした。

もしフルコースイエローとした場合は後続が一気に追いついて、フロントウイングを大きく破損してたレイホールは窮地に立たされていたでしょう。

1週間前のロングビーチグランプリでSパジェノーはレース終盤でのSディクソンとのトップ争いてピットレーン出口の線を4輪で踏んで通過した件で渦中の人物でした。最終的にはドライブスルーペナルティとはならずに警告で済んだことに対して疑問を呈する声が数多く上がりました。

その時にパジェノー以外にも同様に多くのドライバーが4輪でイエローラインを踏んでピットアウトし、一切ペナルティがていなかったことを指摘する声はレースコントロール以外にはありませでした。結果的に激しいトップ争いは水を差されることなく最後まで続いたわけです。

その後、ソーシャルメディアなどでパジェノーだけが4輪でラインを踏んでわけではなかった事実が広まり、パジェノーだけを罰することはフェアではないとの声が広まりました。レーススチュワードの判断は妥当だっということです。

Sディクソンはその時点で裁定に不服でもドライバーは受け入れなければならないと語っています。
「先週の事はもう済んだこと。とにかくドライバーとしてはどのようなルールだったのかはっきりさせたかっただけだ。ルール上問題ないならば問題はない。ルール的に違反ならばペナルティを科すべきだ。」


基本的にレースコントロールの仕事は批判にはさらされやすいが、褒められることはほとんどないということです。

我々も「他のレースではこうだから・・・・」などという概念に惑わされて「これはダメでしょう・・・・」などと安易に考えずに実況しなけばなりませんね。インディカーのルールをしっかりと理解したうえでレース実況しなければと自戒します。あと意外にレース関係者ってルールを完全に把握していないもんなんですよね。国内外問わず。その証拠にルール解釈などでよくモメているのを見ます。

ということで、インディカールールブックの勉強会を開催しますよ!!
コメンタリー陣は生放送開始時間の6時間前に集合し、私がルールブックの内容を1ページずつレクチャーします。覚悟しといてください!!!!!

ああ、6時間じゃあ全然足らないな。
松浦君、遅刻したらレース終了後に居残りだぞ!!。

インディカーの公式ルールブックはこちらで見ることができます。
http://d1b8ufspcmikd1.cloudfront.net/~/media/Files/2016/IndyCarSeries/Rulebook/2016_Rulebook_FULL.pdf?la=en&vs=1&d=20160115T165610
※シーズン途中のルール追加変更には対応していません

アラバマGP レビュー

2016年04月25日


▼トップ3のバトル
2レース連続のノーコーションレースという珍しい展開でしたがSパジェノー、Gレイホール、Jニューガーデンの3台に関してはかなり激しいバトルを展開していました。

▼実質ノーコーション
途中でフルコースコーションが出なかったので中盤から終盤にかけては燃費走行の必要が出てしまいましたが、コーションが出ていればもう少しバトルがあったかもしれません。

▼琢磨選手

琢磨選手はオープニングラップのコースオフで14位スタートから19位までポジションを落としましたが、最終的には13位フィニッシュ。アレがなければシングルフィニッシュだった可能性が高いだけにもったいなかったですね。

▼精彩を欠くWパワー
フロントロースタートからすぐにニューガーデンに抜かれて3位に後退。1回目のピットストップで2位に戻るも、2回目のピットストップでは給油トラブルで3位に後退。さらにラスト2周でニューガーデンにまたもや抜かれて4位後退。

▼イエロースタートルール
今回はイエロースタートでレース周回数のカウントが開始され、グリーンフラッグは3周目でした。
今シーズンから若干スタートに関するルールに変更があったようです。去年まではルール7.7.3.では
セーフティカーがコースから離れて所定の位置につき、ペースラップの終了と共に周回数がカウント開始にとなる場合がある(The lap count may begin)。
となっていましたが。今年は
ペースラップの終了と共に周回数が必ずカウント開始される(The lap count shall begin)。
と記述に変更がありました。なので2レース連続ノーコーションとはなりません。お詫びして訂正いたします。

▼ピット出口

ピットレーン出口からレーストラックへの合流部分を横切るように白線が追加されその白線の下にセンサー(信号線)が埋め込まれています。レースカーの中心(車載センサー)がこの白線を上を通過しなければなりません。白線の右側が途切れているのは、その途切れたところをレースカーの中心が通過した場合は右前輪がレーストラックに沿って伸びる白線に乗ったことを意味します。

▼スターティンググリッド
現地ESPNインターナショナルにレース後の最終順位をスクロールではなくNBCSNのフルスクリーンのものを流してほしいとリクエストを送ったら、なぜがスターティンググリッドがフルスクリーンになってしまいました。またリクエストを出しなおします。

▼プリレースセレモニー
今年から国際映像には国家独唱などが必ずしも来なくなってしまいました。ご了承ください。

▼GAORAのエントランス

琢磨選手のNGKのボードを隣に置きたいですね。

3時間ちょうどの生放送でした。

アラバマGP 予選タイヤチャート

2016年04月24日



決勝レースは3ストップの4スティントです。
つまりタイヤは最低でも4セット使います。

構成はレッド3セット+ブラック1セットです。
ということで支給された3セットのレッドタイヤはすべて使うのがセオリーとなります。

ポールポジションとパジェノーと予選2位のパワーは見事にレッドタイヤをセーブして使っていますね。

予選16位以下も基本的には新品レッドタイヤが2セット残っていることになります。
どのタイミングでブラックと新品レッドを持ってくるかがカギになりそうです。

セルビアがシュミットの3台目でインディ500参戦

2016年04月23日



41歳のスペイン人のベテラン、オリオール・セルビアがシュミットピーターソンwithマロッティレーシングからインディ500に参戦することが発表されました。

カーナンバーは77で、実質シュミットピーターソンの3台目ということになります。

セルビアは開幕戦を欠場したウィルパワーに代わって以来のレース参戦となります。

琢磨がプラクティス2でトップタイム

2016年04月23日



金曜日のプラクティスセッション2で佐藤琢磨選手が1分07秒2157を記録してトップタイムをマーク。チームメイトのジャック・ホークスワースも2番手タイムをたたき出してチームとしては初めてセッション1-2を記録しました。

今週末はプライマリータイヤ(ハード)7セットとオルタネートタイヤ(ソフト)3セットが支給されますが、金曜日のプラクティス1の最初の20分間で5周以上走るとプライマリータイヤがもう1セット支給されます。

ただし、この金曜日はプロモーターテストとされているので、規則上、金曜日は最大3セットしか使用することができず、そのうちの2セットは金曜日で返却せねばならず、土曜日に持ち越した1セットも土曜日のプラクティス3終了後に返却しなければなりません。

前回のロングビーチではプライマリータイヤ4セット(P1で5周以上走行して+1)の支給でした。

アラバマでの琢磨選手のベストリザルトは予選は2010年の6位、決勝は2011年の11位です。
今シーズンはここまで2回のシングルフィニッシュでランキング6位につけています。

ホークスワースは今回から担当エンジニアが変更となり、デビューイヤーの2014年にBHAで組んでいたダニエレ・クッチアローニを代わって起用しいきなり成果につながっています。