思い切ってダウンフォースを削減してみれば

2016年06月23日



JRヒルデブランドがインディカーでのダウンフォース(DF)に関する興味深い記事(3部作)を寄稿して以下のように考察しています。
http://www.indycar.com/News/2016/06/06-22-Voices-Hildebrand-downforce-pt1
要約すると以下の通りです。

■インディカーでのエアロダイナミクスの影響は大きい
ウイングの装着が許可された1972年、インディ500でのトラックレコードは178.7 mph から195.9 mphへ一気にスピードアップ。これが空力パーツ追及のすべてのストーリーの始まり。

■DFに関する基礎知識
①DFは速度の二乗で増加する。
②速度が2倍になればDF(ドラッグ=空気抵抗も)は4倍に増える。

■ロードコースにおけるDF
もともと従来よりもハイダウンフォースで設計されているIR-12に対してさらに新型エアロを装着したため、現状のインディカーは巨大なDFを発生している。

■F1よりも大きいDF
インディカーは200mph(322kph)で約7000ポンド(3175㎏)のDFを発生する。これは現在のF1レギュレーションよりも大きく、100mph(160kph)でもインディカーの車重をを超える1600ポンドを発生する。

■現状では稼いだDFを捨てている状態

現状の新型エアロ装着状態では9000ポンド(4082kg)ものDFを発生してしまうが、インディカーがレギュレーションによってアンダートンネルのストレーキやサイドウォールなどアンダーボディーのエアロパーツの使用を制限して増やしたはずのDFを逆に削減しているのが現状。

■軒並みトラックレコードを更新
新型エアロ2年目の今年、ロングビーチ以外のすべてのロードストリートコースのトラックレコードが塗り替えられた。そのほとんどレコードは去年塗り替えられたにもかかわらず。

■今後もDF量の増大は続く
レギュレーションでの規制がない限りDF量は増え続ける。現行規則ではそれがタイムアップへ最も効果的だから。安全性に支障を及ぼさない限りはそうなるのがインディカーでのごく自然流れてある。

■現状のレースカーはDFが多すぎる
豊富なDFはレースカーの安定性を増加させる。その結果レースカーは操縦しやすいものとなるが、DFに頼らなければレースカーの操縦性は難しいものになりレースはより面白いものになる。

■DFを4割削減させた場合
たとえばソノマレースウェイにてDFを 6500ポンドから4000まで約4割削減した場合、DFばかりではなくドラッグ(空気抵抗)も同等削減される。それは80年代のインディカーもしくは現在のNASCARカップカーと同等のDF量になる。その結果、すべてのコーナーリングスピードは5mph~10mph(16kph)程さがり、高速コーナーほどその速度は大きく下がる。ブレーキング距離は最大30mほど増加する。ストレート速度は13kphほど増加するがラップタイムは2秒遅くなる。

■2秒のラップタイムダウンを取り戻すには
エンジンパワーを現行の700馬力から950馬力ほどアップさせる必要がある。

■2秒のラップタイムダウンはひどい結果をもたらすのか?
そんなにひどい結果にはならない。

次回はショートオーバルにおけるDFとドラッグの関係についてJRが考察します。

コーナーリング速度の高さはバトルに結びつかないどころかストレート速度を低くしてブレーキングバトルを減少させるというわけです。ソノマでの2秒ダウンがどれほどレースをつまらなくさせるかと言えばほとんど影響ないということ。

つまり数秒のタイムアップがレースに面白さをもたらすかと言えばそうではなく、高いコーナーリング速度はかえって弊害をもたらすことがあるということです。

JR(とECRのエンジニア)は非常に鋭い考察をしていますね。

コーナーリング速度が「F1よりも速い」ということは”魅せるレース”とは逆方向なのではないかと思わされます。小倉さん、いかがでしょうか?

また雨降ったらどうしましょう?

2016年06月23日

①天野さんへの質問コーナー
②ロジャーへの質問コーナー
③琢磨選手への質問コーナー

これで2時間くらいはいけますかね?

後世特別のご高配を賜らんことを。