変見自在?偏見自在④ 市街地コースの設営はタイヘン

2019年02月10日

2019シーズン開幕戦まで1か月を切った。セントピーターズバーグの市街地でのコース設営作業も大詰めに入っていることだろう。

公式ツイッターは以下のようなツイートを出している。


9000トンを超えるコンクリートブロック。
総延長12キロメートルを超えるフェンス。
12000本のタイヤ。
セントピーターズバーグ市との良好な協力関係。


これらは1周60秒、2.9キロのコースを設営するのに必要な資材の数だ。

さらには消防法に適合したグランドスタンドの設営や場内放送の為の配線作業、案内看板の設置などの作業も必要になる。

仮設スグランドスタンド設営の資材や場内放送のための通信ケーブルやスピーカーなども膨大な数に上がる。

さて、
市街地コース設営の準備にはどれくらいの日数がかかるのか。

セントピーターズバーグのケースでは準備期間に90日以上。現状回復に60日以上を要するという。

つまり、設営開始から撤収終了までほぼ5か月を要する。

工事期間中は会場周辺道路の通行規制や敷地の入場規制も必要になる。そのための広大な資材置き場の確保や警備も必要だ。

F1世界選手権のモナコGPでも開催3か月以上も前となる2月の初旬から準備作業はすでに始まっていた。


一方でF1世界選手権のシンガポールGPは開催1か月経過後もこの状態であった。


レーシングコースとして使用される路面も、実は道路そのままの状態でレースを開催するのではなく、レースカーの強力なパワーを受け止めるように別舗装が施されている。
下の写真はセントピーターズバーグのターン3。舗装の色が違っているのがよくわかる。


F1世界選手権のシンガポールGPでも、レーストラックは別舗装。
下の写真ではターン7。完全に別舗装でGoogle Earthからでもその様子は確認できる。


しかもその舗装は定期的に補修され、F1モナコGPではほぼ毎年舗装しなおされている。


新たに舗装しなおされた部分はアスファルトの色が濃いうえにペイントが無いのではっきりとわかる。

さらにはモナコでは通常はターン1のど真ん中に大きなひょうたん型の植込みがあって、きれいに芝生が貼られた上に花が生けられて、レースカーのスタチューが飾られている。この植込みはかなり大きいが、レース開催中はすべてがきれいに撤去される。


Google Earthのタイムシフトでこの植込みの有無の様子がよくわかる。ストリートビューにするとちょうど植込みの復元作業を行っている。


他にもモナコではピットロード出口とレーストラックの段差を埋める舗装工事を毎年行っているためにメインストレートからターン1までは毎年再舗装されているようだ。

セントピーターズバーグでもバドックエリアとして使われる駐車場からピットエリアとして使われるローカル空港の敷地への導線には歩道の段差があるが、これも毎年舗装が施されてフラットに工事されている。


レーストラックの管理でもこれほどの手間がかかるうえに、そのコースの周囲には9000個ものトンブロックが置かれて、さらには総延長12キロものフェンスが設置される。

そのフェンスにはコーションライトやPAスピーカーなどが設置されてそれぞれがケーブルで接続される。

もちろん仮設トイレなどの設置数もすさまじい数になる。レースコースを跨ぐ歩道橋も複数必要で、さらにはバリアフリー対策も必要だ。

その設置から撤去までを5か月間かけて行うという気の遠くなる作業が毎年行われている。



オートスポーツNo.1498に「東京五輪後に実現するか?フォーミュラE東京ePrix」と言う記事があった。

記名記事ではなかったが、その中に「”東京マラソンはできても自動車レースはできない”最大の要因(特有の障壁)は「騒音」と「排ガス」に帰結していた。」とあった。(オートスポーツNo.1498 3ページより)

専門誌の記者が「マラソン」と「自動車レース開催」の違いを、その程度としか認識していないのかと愕然とした。

同時にフォーミュラE東京ePrixの開催もかなり先になりそうだとも大きく確信した。