レイホールレターマンラニガンレーシングにインディ500での勝利を取り戻した琢磨選手

2020年12月31日


https://www.indycar.com/News/2020/12/12-30-BMartin-Top-3-Sato-Indy-500

第104回インディアナポリス500での注目の一つに、だれがインディ500での2勝目をあげるのかというものがあった。この年のインディ500でスターティンググリッドにラインナップされた33台のなかで優勝経験者は8人。その中で複数回優勝しているのはエリオ・カストロネベスだけだった。

結果的にその注目の通りとなったが、少々意外なドライバーがレースを制した。

本命と目されたスコット・ディクソンのインディ2勝目を阻止したのは佐藤琢磨だった。

琢磨は打倒ディクソンへの手ごたえを確実につかんでいた。

事実、ディクソンは200周中の111周をリード。琢磨がレースをリードしたのは27周だけだったが、レースを通じてディクソンについていくだけの十分な速さがあった。

琢磨は徐々にディクソンを追い詰めて185周目にラップリードを奪い、しばらくはディクソンとのつばぜり合いを演じたが、196周目に琢磨のチームメイトであるスペンサー・ピゴットのクラッシュで出されたコーションによってレースはそのまま終了し、決着がつけられた。

「琢磨は周回遅れの中でも速く、その中で最後はディクソンを十分に引き離していた」「琢磨にとってインディ500での2勝目は素晴らしいレース内容だった」と、チームオーナーのボビー・レイホールは絶賛する。

琢磨にとってはアンドレッティオートスポーツから参戦した2017年にカストロネベスとの激しいバトルを制して以来のインディ500での優勝。いずれも最強チームの最強ドライバーを制しての勝利だった。

「ディクソンやエリオの様なインディカーを代表するドライバーと激しいレースができたことをうれしく感じます」「2017年のエリオとのレースも最高でしたが、今年も最強のドライバーとのレースになりました。明らかにディクソンはプラクティス、予選、からレース中盤を通じて最強でしたから」「決勝レースは最終スティントのラスト30周に全力が出し切れるように集中しました。そのレースで一番重要な部分でそれまでに積み重ねてきたすべてを出し切って、運も含めてすべてがうまくいったと思います。すごくうれしいですし最高に満足しています」と琢磨はコメント。

2012年のインディ500では琢磨は同じくレイホールレターマンラニガンレーシング(RLLR)から参戦。最終ラップでレースをリードするダリオ・フランキッティにバトルを仕掛けながらもクラッシュでレースが終了。琢磨はダリオへの祝福と果敢な挑戦者への称賛の拍手の中でサウスシュートに止まったレースカーから降りることになったが、そのレースでも琢磨は最初のスティントでRLLRでインディ500を優勝できる手ごたえをつかんでいた。

2018年にRLLRに復帰した琢磨にとって、2012年に取り逃したインディ500での優勝をこのチームにもたらし、レイホール、レターマン、ラニガンの3人のチームオーナーを喜ばせることが第一目標になっていた。

そして、その目標を達成する日は2020年はいつもよりも3か月遅れでやってきた。

「チームオーナーはボビー、デイビッド、マイクの3人ですが、自分のレースカーの資金的な準備は全部マイク・ラニガンのおかげなんです。彼のおかげでレースに参戦ができています」

マイク・ラニガンはシカゴに拠点を置く重機製造会社のMi-Jackの代表を務め、創業者である父のジャック・ラニガンの代からMi-Jackはインディカーでのサポート活動を行ってきている。創業者のジャックは2019年1月に逝去し、ラニガン家にとってはインディ500での優勝は悲願となっていた。

「2013シーズンからAJフォイトレーシングに移籍して4年間を過ごし、その後はアンドレッティレーシングに行きましたが、その間もボビーとマイクには「いつウチに戻ってくるんだ?」とことあるごとに聞かれていました」

2013シーズンからRLLRはボビーの息子のグラハムの加入が決まっていたものの、2台目を走らせるための資金は準備できていなかった。その結果、琢磨はRLLRでのシートを失う形になり、琢磨に目をつけていた偉大なドライバーが率いるAJフォイトレーシングへ移籍することになった。

「マイクがレースカーを用意して待っていてくれたんです。本当に彼には感謝しています。アメリカの家族の元に戻れて本当にうれしかったです」

そのアメリカの家族の中には英国から来ていたエンジニアのエディー・ジョーンズがいた。エディは2017年いっぱいで仕事を引退して英国へ戻る予定だったが、琢磨のチーム加入を聞いて急遽帰国を取りやめて単身アメリカに残る決心をしていた。エディにとってもインディ500優勝は悲願で、結果的にエディはインディ500優勝という最高の勲章を手に故国へ凱旋して行った。

「最高のエンジニア陣でした。エディは元はレースカードライバーでポコノやニュルブルクリンクを走った経験もあるんです。それに、レースカーデザイナー、レースカービルダーとしての経験もあってレースカーのすべてを知り尽くしているんです。彼との相性は最高で、仕事をスタートさせた初日から完璧な二人三脚でした。」

琢磨の2回目のインディ500優勝は2017年の勝利とは少々違った形で達成されたが、果敢な動きと確かな速さ、そしてチームの一体感もあって、スリリングで内容の濃いものとなった。

「今回のインディ500優勝は前回と同じようであって、全く違ったものですが、インディ500で勝つためにはチームにすべてのものがそろって一つにならなければいけません。今回は自分がその一つになれたということです。インディ500で優勝した時の感動は2017年も2020年も全く同じです。ただ一つ違うことがあるとすれば、今回は2012年の分も取り戻したということでしょうか。インディ500初優勝は言葉では言い表せないものでしたが、2回目の経験でもそれは同じで特別で言い表せないものでした。」

「でも、今回はフィニッシュの時は前回と比べてだいぶ落ち着いてましたよ」

来年は開幕前の合同テストは開催せず

2020年12月30日



毎年恒例のシーズン開幕前の合同テストは2021シーズンは開催されないことが決定しました。各チームそれぞれで規定のテスト日数に沿ったチームテストを行った後に開幕を迎えることになります。

これまでは全チームが参加する合同テストは2日間で開催され、この2年間はサーキットオブジアメリカズ(COTA)、それ以前はフェニックス、バーバー、セブリング、ホームステッドなど、2月でも比較的温暖な地で行われてきました。


合わせて、メディアデーが1日設けられて、各ドライバーのプロモーション写真や映像の撮影や各メディアのインタビューなどが行われてきています。




今後はいくつかのチームは1月にセブリング、2月にラグナセカでのテストを予定していますが、カリフォルニア州の感染状況によっては他の州との行き来が制限される可能性もあって、その場合はバーバーが候補地に挙がっています。

メディアデーの代替日はインディアナポリスモータースピードウェイで行われる可能性が高いと思われます。

佐藤琢磨選手が「With you Japan Festa 2020」をオンラインで開催

2020年12月25日



12月23日夕方に佐藤琢磨選手が主催するオンラインイベントの「With you Japan Festa 2020」が開催されました。

With you Japanは琢磨選手が東日本大震災の発生直後の2011年3月に「天才にめげずに頑張る子供達への長期的支援」を目的として立ち上げられたプロジェクト。


琢磨選手のモットーである「No Attack No Chance」~夢を持ち続け、夢に向かって一生懸命続けていれば必ずいい結果がやってくる~ということを未来ある子供たちに向けて発信し、夢の実現へのサポートを行うことを目指しています。

今回のイベントはZOOMを使ったオンラインで開催され、全国の幼児から中学生までの100人が参加。その中から11組が「来年への自分への手紙」というテーマで発表を行い、琢磨選手と双方向で会話を行いました。

続いてゲストとしてメモリースポーツ世界大会で優勝経験があり、ギネス世界記録を持つ記憶術のコーチの大野元郎さんが登場。記憶力をアップさせるテクニックを琢磨選手に伝授しながら参加者に紹介。

そして、「科学的に足を速くする方法」というテーマで早稲田大学教授陣と共同で能力開発プログラムを開発した「biima sports」代表の田村恵彦さんがビデオ出演し、駆け足が早くなるためのテクニックを子供たちに伝授しました。

イベントの最後には企画をサポートするスポンサー各社から寄せられた超豪華プレゼントが参加者全員にプレゼントされてイベントは終了しました。



JAFモータースポーツ表彰式で佐藤琢磨選手が特別賞を受賞

2020年12月24日



12月24日、「2020年 JAFモータースポーツ表彰式」がオンラインで行われ、各全日本シリーズのチャンピオンに加えて佐藤琢磨選手が特別賞を受賞しました。

琢磨選手は受賞の喜びを次のようにコメントしています。

「栄誉ある賞をいただき、3度目の受賞を光栄に思います。コロナ禍の中で開幕が3か月も遅れながらもレースが開催できたことはよかったと思います。関係者のみなさんには感謝の気持ちでいっぱいです。自身の夢であったインディ500で二勝目を挙げられたのはチーム、スポンサーをはじめ、応援してくださったみなさんのおかげです。日本の若手ドライバーもどんどん育ってきている状況でモータースポーツを更に盛り上げていきたいと思っています。」とビデオメッセージが紹介されました。

特別賞受賞者は琢磨選手の他に、以下の3選手と1チームが受賞しています。

中嶋 一貴 氏
小林 可夢偉 氏
井上 裕紀子 氏
TOYOTA GAZOO Racing

デイリーは引き続きECRからロードストリートとインディ500に参戦

2020年12月19日



コナー・デイリーが2021シーズンも引き続きエドカーペンターレーシング(ECR)から#20でロードストリートレース13レースに参戦することが発表されました。そのうちの10レースはアメリカ空軍がプライマリースポンサーを務めます。

オーバルレースではデイリーに代わってエド・カーパンターが参戦しますが、デイリーはインディ500ではECRの3代目としてアメリカ空軍のプライマリースポンサーで走ることになっています。

デイリーとECRは引き続きインディカーシリーズでの活動を通じてアメリカの若年層にアメリカ空軍の存在と役割と伝え、リクルート活動を行っていくことになります。

これまでもアメリカ空軍の存在と役割、採用に関する情報はデイリーとECRのインディカーでの活躍を通じて地域に関係なくアメリカ全国レベルで多大な貢献をしてきていました。

インディカーとアメリカ空軍の戦略的パートナーシップにおいて、インディカーでのチームワーク、スピードの追及、技術力、エンジニアリングは空軍の人材育成プログラムでの科学、技術、工学、数学の分野において競争力高めるための手段としても活用されています。

インディアナ出身で29歳になるデイリーは2020シーズンはECRからの参戦の他にインディ500以外のオーバルレースではカーリンからチルトンの代役として#59をドライブ。4回のトップ10フィニッシュを記録した他、アイオワではキャリア初めてとなるポールポジションを獲得しています。