変見自在?偏見自在⑤ トリプルクラウン

2020年09月21日

世界三大レース=トリプルクラウンと言えば、「インディアナポリス500、ルマン24時間レース、モナコグランプリ」。

今年はこのうちのインディ500とルマン24時間レースの2つのみが開催されたが共に日本人ドライバーが制する結果になった。

佐藤琢磨選手はインディ500での2勝目。中嶋一貴選手はルマン24時間レース3連覇という偉業達成で日本人ドライバーが共に世界の頂点に立ち続けるという日本のモータースポーツ史上かつてない状況となっている。

もし現役日本人F1ドライバーがいて、モナコグランプリも制していればと思うと夢は大きく膨らむ。

「トリプルクラウン」と呼ばれる偉業は様々な形でスポーツ界に存在する。

アルペンスキーでトリプルクラウンと言えばW杯もしくは五輪での「回転、大回転、滑降」の3冠同時獲得で、これまでにトニー・ザイラー(AUT)とジャン・クロード・キリー(FRA)の二人だけ。

ゴルフのトリプルクラウンはシングルシーズンでの「マスターズ、全米オープン、全英オープン」3大会の制覇で1953年のベン・ホーガンのみ。

「マスターズ、全米オープン、PGAチャンピオン」と言う括りを含めると2000年のタイガー・ウッズもこれに相当する。それでも歴史上この二例しか達成はない。

グランドスラムと呼ばれる「マスターズ、全米オープン、全英オープン、PGAチャンピオン」の4つのタイトルをキャリアの中で獲得したのはジェネ・サラザン、ゲーリー・プレイヤー、ベン・ホーガン、タイガー・ウッズ、ジャック・ニクラウスの5人。

テニスでは「全豪、全仏、全英、全米」4大大会のグランドスラムとなり、キャリアの中でグランドスラムを達成したのは男子シングルスで8人、女子シングルスで10人と、比較的大人数となる。

日本の競馬での三冠と言えばJRA3歳クラシック三冠[の「皐月賞、 東京優駿(日本ダービー)、 菊花賞」で、達成馬は7頭。

このようにスポーツ界には様々な三冠やグランドスラムがあるが、モータースポーツでのトリプルクラウン達成はたった一人しかいない。

グラハム・ヒルはモナコグランプリで5勝(1963–65, 1968, 1969)し、インディアナポリス500には1966年、ルマン24時間レースは1972年に優勝してトリプルクラウンを達成。

この3レースともに参戦したことがあって、その中で1勝でも上げたことがあるドライバーは19人。

そして現役ドライバーとしてトリプルクラウン達成の可能性があるのは現在は二人のみ。

ファン・パブロ・モントーヤは2000年にインディ500で優勝。F1転向後の2003年にモナコグランプリを制して2015年にはインディ500での2勝目を挙げてトリプルクラウンに王手をかけている。

モントーヤはインディカー、フォーミュラ1、NASCARカップと3つのメジャーカテゴリーを制している3人のうちの一人でマリオ・アンドレッティ、ダン・ガー二ーと肩を並べている他、デイトナ24時間レースでは3回の総合優勝があって、トリプルクラウン達成のポテンシャルを十二分に持っている。

今年(2020)のルマン24時間レースにLMP2クラスから参戦したもののDNF。2018年にもLMP2クラスで参戦し、その時はクラス3位で表彰台に乗っている。

2015年オフシーズンにはWECのルーキーテストに参加してポルシェのLMP1カーをドライブしたがポルシェでのルマン24時間レース参戦は叶わなかった。


トリプルクラウン達成を掲げて今年のインディ500に参戦したフェルナンド・アロンソは2006年07年とモナコグランプリ2連勝。ルマン24時間レースには2018年19年と中嶋一貴選手(今年で3連勝達成!)と共に2連勝し、あとはインディ500での勝利を狙っている。

2017年のインディ500デビュー戦では琢磨選手の横からとなる5番グリッドからのスタートで、一時はレースをリード。結局エンジントラブルでレースを終えているが、トリプルクラウンを十分に達成できるポテンシャルを大いに見せつけた。

そんなアロンソだが、2019年インディ500ではマクラーレンから参戦したものの、インディ500での実績がほとんどないに等しいカーリンとのジョイント参戦であえなく予選落ち。2020年インディ500ではポールポジション獲得の実績があるシュミットピーターソンを買収したマクラーレンから参戦したが、シボレーエンジンではホンダエンジンの優位性に太刀打ちできなかった。


ルマン24時間レースを統括するACOはレースカーレギュレーションを改正してアメリカのスポーツカーレースの最高峰のIMSAスポーツカー選手権のDPiクラスをベースとした「LMDh」クラスの新設でIMSAと合意した。

つまり、IMSAに参戦するキャデラック、アキュラ、マツダは事実上ルマン24時間レースに参戦可能となる。

今シーズンまでアキュラはペンスキーと組んでDPiクラスに参戦してきたが、アキュラはペンスキーとの2021年以降の契約をしないことを発表。代わってデイトナ24時間レース総合優勝連覇をしているウェインテイラーレーシングとGTクラスでの実績があるメイヤーシャンクレーシングと契約することを発表。これまでよりも参戦活動を拡大する方向にある。


史上二人目のトリプルクラウン達成はあるのか?どちらが先になるのか?

モントーヤもアロンソも年齢的に二人とも今後残された時間は長くはない。
個人的には2021年に同時達成を期待したい。


そんな夢の大記録を後押ししたのは共に「夢のパワー」であることを願わずにはいられない。

え?バトルが少なかった?

2020年09月13日












昨日のレースは全く仕掛けられない”パレード”と別物で少なくともこれだけのアクションがありました。

パッシングを成功させるのは難しかったにしても、つばぜり合いはそこかしこでありました。

IMSオーナー、ロジャー・ペンスキー氏からのメッセージ

2020年08月20日



インディアナポリスモータースピードウェイのファンの皆様へ

この日曜日に開催される第104回インディアナポリス500に皆様をお招きでなかったことは本当に残念でなりません。

無観客でのレースにはなりますが、参戦ドライバーたちは世界最高峰レベルのレースを皆様にはご自宅でお楽しみいただけるようにレースに向けて準備を進めております。

このような困難な状況の中であっても、この毎年恒例のイベントにおいて友人知人たちといつものようにレースを観戦されることを楽しみにされていたことは重々承知しています。

何十万人ものレースファンの皆さんが、このインディアナポリスモータースピードウェイに訪れて「バックホームアゲインインインディアナ」を感じ、贔屓のドライバーに声援を送り、その大歓声がエンジンサウンドと一体化してスピードウェイ中に響き渡るシーンが今年は無いことが残念でなりません。

インディアナポリスとインディアナ州にとってインディ500は無くてはならないものです。インディアナポリスではインディ500が開催される5月こそがレース関係者のみならず地元企業にとって経済活動の中心になってきていたからです。

しかし、このマリオン群における新型コロナウィルスの感染拡大に際して、無観客にてレースをしなければならないということは苦渋の選択でした。

長い準備期間を経てスピードウェイとインディカーシリーズのオーナーとなり、収容人数の25%におさえての観客動員を目指してきましたが、レースファンの皆さんの健康と、この偉大なレースを絶えることなく維持することの方が重要であることを鑑みて今回の判断に至りました。

2021年のインディ500でご来場の際にはリニューアルされた様々な場内施設、新たに30基増設されたLEDビデオスクリーン、5Gのネットワーク環境、更新された売店や洗面所、多くの皆様に優勝車両を見ていただけるように表彰台へリフトアップさせる装置など、さまざまな新しい設備が皆様をお迎えすることになっています。

私が初めてインディ500に父親に連れられてきたのは14歳の時でした。1951年で優勝はリー・ウォーラードでした。その時に私は彼のヘルメットを借りてそのレースカーのコクピットに座らせてもらうことができました。その時のことが忘れられませんでした。

その時の感情が今の私につながっています。私はスピードウェイとインディカーを後世に残していかなければならないと思っています。それゆえ、レースを楽しんでくださる皆さんの存在が何よりも重要だと思っています。

皆様にはご理解のほどよろしくお願い申し上げます。
来年ここでまたお会いしましょう。
”drivers – start your engines.”

ロジャー・ペンスキー

インディ500の歴史は技術革新と安全性向上の歴史

2020年08月04日


https://www.indianapolismotorspeedway.com/news-multimedia/news/2020/08/03/indianapolis-500-has-incubated-endless-advancements-in-automotive-technology-safety

今年で104回目の開催を数えるインディアナポリス500マイルレース。その1世紀にも及ぶ歴史は技術革新と安全性向上の歴史でもありました。

インディアナポリスモータースピードウェイ(IMS)が完成した20世紀初頭は、インディアナポリスはデトロイトに並ぶ自動車産業の街として発展。その自動車産業の要となるテストコースとして1909年にIMSは完成しました。

そして、1911年に第1回インディ500が開催されて以来、多くのヒーローが生まれてきましたが、さらには優秀なメカニックやエンジニア達も輩出し、技術の粋を集められたレースカーはより速く、より強く、より美しく進化を遂げていきました。

第1回インディ500の優勝マシン、マーモンWASPは地元インディアナポリスの自動車メーカーマーモン社の技術者であったレイ・ハルーンが設計、製作し、自ら500マイルを走ってレースを制しました。

そのマーモンWASPは尻すぼみのシェイプで空気の流れを考慮しただけではなく、世界初のバックミラーを搭載した自動車となりました。

当時のレースカーは助手席に助手が乗る二人乗りが基本でしたが、タイヤトラブルを嫌ったハルーンは軽量化を優先して助手席を廃止し、当時としては画期的な一人乗りのレースカーを生み出しました。

しかし、他の参加者からは一人乗りでは周囲のレースカーの動きがわからずに危険だとクレームがつき、急遽バックミラーを取り付けたのでした。

その2年後にインディ500を制したのはフランスのプジョー。直列4気筒エンジンにはDOHCシステムとターボチャージャーが搭載されました。今でもターボチャージャーはインディカーでは標準装備となっています。

プジョーワークスの撤退後は第1次世界大戦をはさんでアメリカ人エンジニアのハリー・ミラーがプジョーエンジンをもとに製作したDOHC直列4気筒エンジンが主流となり、欧州のグランプリ規格に合わせて排気量の引き下げが度重なった結果、失ったパワーをスーパーチャージャーで補うようになります。

1933年の世界大恐慌でミラーはエンジン製作所を閉鎖。その従業員だったフレッド・オッフェンハウザーとレオ・グーセンがエンジン制作を引き継ぎました。

その後は”オッフィー”と呼ばれたオッフェンハウザー製作のエンジンは以後41年間にわたってインディ500で通算27勝を記録。戦後の1947年から1964年には18連勝を記録しています。

エンジンの製作でで名を馳せたハリー・ミラーは車体の製作に関しても斬新なアイディアを取り入れ、清流効果を考慮した流線型の車体や、タイヤの消耗を考慮した前輪駆動車、四輪駆動車、リアエンジンのレースカーなどを開発し、1922年から1938年の間にミラー製のレースカー6台とミラー製エンジンを搭載した12台がインディ500を制しています。

リアエンジンのレースカーは1961年のクーパークライマックスの出現よりも23年も前にミラーが制作し、6輪車はF1ティレルP34が出現する約30年も前にIMSを走っていました。こちらの6輪車は後輪が2軸でした

インディカー初のウイングは1962年にレースカービルダーとして有名なスモーキー・ユニックによってワトソン・ロードスターに搭載され、ユニックはその後にコクピットがエンジンの内側にある”サイドカー”を制作しています。

そしてレースカーに最も大きな技術革新をもたらしたのがレースカービルダーでドライバーでもあったダン・ガー二ーが発明したガー二ーフラップでした。これによって予選速度は1971年の 178.696mphからたった1年で195.940 mphと17mphも一気に速度が増加し、史上最高の速度アップを記録しています。

その後は車体の技術革新はジム・ホールに受け継がれ、1980年インディ500を制したジョニー・ラザフォードがドライブしたシャパラルK2”イエローサブマリーン”に採用された車体下部のアンダートンネルが発生するグラウンドエフェクトは現在のインディカの基本技術となっています。

80年代以降はシャシーではマーチ、ペンスキー、ローラ、レイナード、Gフォース、ダラーラが参戦し、現行のダラーラIR-18シャシーには今年からエアロスクリーンが搭載されるようになりました。

2002年にはSAFERバリアーが導入され、それ以降はヘリコプターによる救急搬送は一度も行われていません。

1967年にグッドイヤーはそれまで43大会連続で勝利してきたファイアストンタイヤの連勝を止め、現在では5月中にタイヤトラブルが発生することはまずありません。

この103回の大会の間にレースカーは大きな進歩を遂げてきましたが、今後の100年間でレースカーはどのような進化を遂げていくのか。燃料は何が使われているのか?内燃機関は使用され続けるのか?ウイングに変わる空力パーツは登場するのか?ミラー、チャップマン、ガー二ー、ユニックに続く天才技術者は出てくるのか?第200回大会の光景は全く想像がつきません。

インディカーiRacingチャレンジにポイントをつけると

2020年05月05日



全6戦で開催されるインディカーiRacingチャレンジは全6レースが終了。
このシリーズにはドライバーズポイントはかけられていませんが、シリーズ戦同様にバーチャルドライバーズポイントを加算すると以下のようになります。

1. Scott McLaughlin (R) – 213
2. Will Power – 195
3. Simon Pagenaud – 182
4. Felix Rosenqvist – 151
5. Santino Ferrucci – 138
6. Sage Karam – 120
7. Graham Rahal – 113
8. Conor Daly – 108
9. Marcus Ericsson – 107
10. Pato O’Ward (R) – 104
11. Alex Palou (R) – 100
12. Scott Dixon – 99
13. Oliver Askew (R) – 98
13. Josef Newgarden – 98
15. Zach Veach – 96
16. Jack Harvey – 88
17. Alexander Rossi – 86
18. Dalton Kellett (R) – 80
19. Sebastien Bourdais – 79
20. Colton Herta – 73
21. Ryan Hunter-Reay – 70
22. Robert Wickens – 66
23. Lando Norris (R) – 64
24. Scott Speed (R) – 61
25. Ed Carpenter – 60
26. Felipe Nasr (R) – 57
27. Kyle Kaiser – 55
29. Tony Kanaan – 40
30. Rinus VeeKay (R) – 39
31. Dale Earnhardt Jr. (R) – 35
32. Kyle Kirkwood (R) – 32
32. Jimmie Johnson (R) – 32
32. James Hinchcliffe – 32
35. Takuma Sato – 28
36. James Davison – 27
37. Max Chilton – 26
38. Marco Andretti – 23
39. Helio Castroneves – 19
40. Kyle Busch (R) – 17
41. RC Enerson (R) – 10
41. Chaz Mostert – 10
43. Stefan Wilson (R) – 5
43. Spencer Pigot – 5