今シーズンから全車に導入されるエアロスクリーンの内部構造はこのようになっています。
詳細に関しては今週末放送の「オースティン合同テストリポート」をご覧ください」。
初回放送 3月8日(日) 23:00 ~ 24:00
Q:エアロスクリーンは空気抵抗になって速度に影響しますか?
A:10月2日にパワーとディクソンはインディアナポリスモータースピードウェイで225mphオーバーの速度でテスト走行を行いましたが、影響に関してはコメントしていません。二人ともにほとんど影響なしと答えています。
Q:エアロスクリーンはオーバルレースのみで使用されますか?
A:いいえ、2020シーズンから全レースで使用されます。
Q:ドライバーの視界に影響はありますか?特にオーバルのバンクではどうですか?
A:インディアナポリスでテストをしたパワーとディクソンは視界について問題はないとしています。リッチモンドでテストをしたディクソンとニューガーデンも視界に関しては全く問題なしとしています。
Q:コクピット内の温度上昇についてはどうですか?
A:インディアナポリスでは気温30度の中でテストを行いましたが、温度上昇はありませんでした。エアロスクリーンには強制冷却機能があります。
Q:エアロスクリーンが汚れたらどうしますか?
A:エアロスクリーンにはヘルメット同様にテアオフ(捨てバイザー)が装着され、ピットイン時にはがされることになります。
Q:雨が降ったら?
A:雨の影響はこれまでのヘルメットバイザーの時とほとんど変わりません。エアロスクリーンはヘルメットバイザーに雨が当たることを防ぐとともにスクリーン自体にも雨をはじくコーティングが施されます。さらに、曇り止め装置が装着されて良好な視界を確保します。10月7日のバーバーモータースポーツパークでのテストは雨天の中で行われましたがテストを担当したパジェノーとハンターレイはエアロスクリーンの雨天時の働きについて高評価を下しています。
Q:エアロスクリーンの手直しはありますか?
A:これで完成形と言うわけではないので、今後はエンジニアやドライバーからのフィードバックで改良が施されます。チームは独自にペイントスキームなどに合わせて塗装などを行うことができます。
Q:大きなクラッシュ発生時や横転時のドライバー脱出に何か影響はありますか?
A:エアロスクリーンの導入計画がスタートした時からAMRセーフティチームは試作車テストから実車テストを通じて脱出訓練に関わってきました。その訓練で滞りなく脱出させる手順の他に素早くエアロスクリーンを取り外す手順を確認しています。
Q:エアロスクリーンの今後のテスト内容は?
A:11月5日にバンピーなセブリングインターナショナルレースウェイでストリートレースを想定したテストを行う予定になっています。それ以外にも今後は技術者とドライバーのフィードバックなどから様々な手直しやオプションパーツを追加するとしています。
今回のポコノでは5台のレースカーがアクシデントに巻き込まれましたが、いずれのドライバーにも大きなけがはなく、今週末のレースへの参加が許可されています。
ローゼンクビストに至っては去年のウィッケンズのクラッシュを彷彿とさせるものでしたが、キャッチフェンスを突き破ることなくコース内にとどまりました。
映像的には少々衝撃的だったためか、ポコノでのインディカーレース開催に異議を唱える声もありましたが、そもそも危険ではないオーバルトラックは存在しませんし、危険すぎるオーバルと危険なオーバルの差はありません。
今回のアクシデントの結果はインディカーの安全性を改めて証明する結果にもなりました。
突き破られにくく改良されたされたフェンスはインディカーがフェンスの支柱に当たることを防ぎました。
今シーズンから導入された「フロントウイングエンドプレートテザー」はフロントウイングのエンドプレートの飛散を見事に防いでいます。フロントウイング自体も飛んで行っていません。
今回負傷者が出なかったのは奇跡でも運でもなく、インディカーの安全対策がその効果を証明したということになります。