謎だったレース2での琢磨選手の作戦

2020年09月15日



佐藤琢磨選手はレース2では予選を失敗して22番グリッドからのスタート。1回目のフルコースイエローでステイアウトしたのは当然のチョイス。皆と一緒の作戦では大きなジャンプアップは望み薄でした。


ラップリーダーとなった琢磨選手は32周を走って33周目に1回目のピットストップ。

このピットイン間際には30周を超えるロングスティントだったにも関わらず、ピットイン前6周に渡って1分9秒台を連発して自己ベストも更新。タイヤはソフトからソフトへ。ウイングをハーフターン立てました。

自己ベスト更新で9秒台連発にも関わらずにウイングアジャストをするということはソフトタイヤでの好調さを示すものでした。

この時点でディクソンは琢磨選手の後ろで、ともに残り1ストップでした。
しかし、琢磨選手はグラハムに引っかかって、好調なはずだったソフトタイヤをたった15周でハードタイヤに交換。



ディクソンは琢磨選手がピットインした直後にグラハムをパスして引き離していきました。
そしてディクソンはソフトタイヤで25周を走って59周目にラストピット。チルトンの前の12位でピットアウト。最後はハードタイヤで追い上げて10位フィニッシュしています。


今回はレース1とレース2の間には14分間(赤旗連発で実質5分)予選セッションしかなく、ドライタイヤでのチェック走行は一切できませんでした。

ハードタイヤで非常に苦労したとコメントしていた琢磨選手はそのハードタイヤで最後は27周も走る羽目になるという状況でした。


ソフトタイヤでのロングランでのペースが非常に良かったのですから。2スティント目をもっと引っ張っておけば、もう少し上のポジションで戻れたはずだと思いました。

詳細は後日琢磨選手本人に聞いてみたいところです。

ポール兄貴はフェルッチに同情的

2020年09月15日



レース2スタート直後のアクシデント。
NBCのコメンタリーのポール・トレイシーは以下のコメント。

①ハータはもう少し左側を残すべきだった。(リプレイを見て)パジェノーのように。
②雨で芝生は濡れていたので芝の上を滑ったフェルッチはコントール不能だったのだろう。



松田さんも鹿島さんも同様の見解でした。

ショートオーバルでの作戦

2020年09月01日



最近の傾向としてはタイヤの消耗(デグラデーション)が大きく、ロングスティントでのラップスピード差が大きくなりがちなので、グリッド中段以降からスタートしてとりあえずトラックポジションをアップさせたい人はフューエルウインドウに入ったら早めにピットストップしてアンダーカットを狙う傾向が強くなってきています。

このアンダーカットが狙える条件としては燃費的に問題が小さい場合です。

一方でグリッド上位の人たちはできるだけ引っ張ったほうが有利なケースが多いです。イエローが出る可能性もあるので、イエローを待ってピットストップできれば、アンダーカット勢を大きく引き離すことができます。

この引っ張る作戦が有効な条件としては、トラフィックに引っかかっても前に出て行けるようなレースカーでなければなりません。昔のマイケルやビルヌーブ、ホーニッシュJrのようにトラッフィックを縫うようにすり抜けて前に出ていけるレースカーであれば明らかに引っ張ったほうが有利です。

もしくは前がずっとクリアであればオーバーカットも可能になります。今回のレース1の琢磨選手のケースがそれにあたります。

しかし、レース2では25周目から25周に渡ってテールエンダーのエドに引っかかっていたので、アンダーグリーンが続く状況では確実にマージンを失っていきました。

インディカーではバックマーカーにラップリーダーが近付いた場合はブルーフラッグが振られてもラインを譲る義務がないばかりか、レースコントロールからはラインとペースを維持するように指示されるので、ラップリーダーは自力で前に出るしかありません。

バックマーカーに無理やりラインを外させるとタイヤかすに乗る危険性や大きな速度差が生まれるケースがあるのがその理由です。

これもショートオーバルの醍醐味です。

今シーズンは新型コロナの影響でタイヤテストやマニュファクチュアラーテストの実施ができず、十分なグリップを発揮するタイヤやベストなエアロパッケージの追及が全くできていません。

来シーズンはベストパッケージでのショートオーバルレースに期待したいところです。

大変なアウトサイドリアタイヤ担当ピットクルー

2020年08月30日



インディカーのピットクルーは6人+1人(ウインドシールド&ドリンク専任)です。

そのうち、タイヤ交換担当は4人で、アウトサイドリアタイヤ担当クルーだけが作業ポジションでスタンバイできません。レースカーがピットボックスにストップしてからレースカーの後ろをまわりこむようにし駆けつけてから作業を開始します。

なので、どうしても作業開始が他のポジションと比べて遅れがちになります。

インディカーでは日本のスーパーGTなどのようにエアレンチ用のホースをブリッジを使ってレースカーの頭上を通ることはしません。

なので、アウトサイドリア担当クルーはエアフォースをピットウォール沿いに取りまわして準備。レースカーがピットボックスに止まってから重いエアガンとエアフォースをもってレースカーの後ろをまわりこんでから両ひざで着地してから作業委取り掛かかるという難易度の高い作業をしています。

ぜひ、アウトサイドリアタイヤ担当のピットクルーの動きにも注目してみてください。

スタート時のマルチカークラッシュを検証する

2020年08月30日



レーススタートで発生した”マルチカー”クラッシュ(マルチクラッシュは誤用)を検証します。

インディカーのスタートルールでは最終ターンあたりに設けられたスタート(リスタート)ゾーンにレースリーダーが差し掛かったらグリンフラッグが掲示され、その瞬間から全車追い越し可能になります。コントロールライン通過まで待つ必要はありません。

スタート(リスタート)ゾーンはコースサイドのフェンスに「START」のボード(矢印)が2か所取り付けらえていて、その間がゾーンとなります。

上の写真ではポールポジションのウィル・パワーがリスタートゾーンに差し掛かる前にパロウとパジェノーが前車に詰まって隊列から飛び出しています。

この時点でグリーンフラグはまだ掲示されていません。

リスタートゾーンの位置はスタート前のパレードラップ中に確認することになっています。今回はパレードラップ3周ののちにペースラップ1周で2列になってグリーンフラッグでした。

スタート前のパワーのペースラップはペースカーの速度を維持し、ウェービングもチェックアップ(加減速の繰り返し)もしていないのでルール通りです。