何か特別な作戦

2018年08月01日



アンドレッティオートスポーツのCOOでアレクサンダー・ロッシのストラテジストを務めるロブ・エドワーズ。かつてはシュミットピーターソンでチームディレクターを務め、パジェノーと共に2勝を挙げています。

ポイント3位でミッドオハイオに乗り込んだロッシはチャンピオン争いでディクソンに追いつくためには「ディクソンと同じことをやっていてはだめで”何か特別なこと”をやる必要がある」とエドワーズは考えていました。

その何か特別な作戦は土曜日の夜にエドワーズとロッシと担当チーフエンジニアのジェレミー・マイルズらで打ち合わせを行い、2ストップ作戦の可能性と有効性をロッシに説明。

もしスタート後に目標MPGをクリアしつつトップをキープできた場合は2ストップ作戦を敢行するという内容でした。

ロッシは目標MPGでリードを守る走りができるかどうか確証が無いままレースを迎えたものの、実際にレースがスタートすると計画通りの走りをして見せ、チームは2ストップ作戦で行くことを決定しました。

最終的にロッシは90周のレースで12秒8285の差をつけてトップでフィニッシュ。トータル200秒のオーバーテイクアシストシステムも126秒が残されていました。

その結果、62点のマージンでポイントをリードしていたディクソンに対して、ロッシはポイント3位から2位に浮上したうえでその差を46点に縮めました。

好評だったミッドオハイオ

2018年08月01日



先週のミッドオハイオでのレースはノーコーションで延べ114回のポジションチェンジがありました。

ディクソン対ロッシのバトルやブルデイによる20台抜きなど見どころ豊富でレースファン、関係者ともに好評でした。

ベテランジャーナリストのロビン・ミラー氏は12秒のリードでレースは幕を下ろしたものの、今回のレースはミッドオハイオ史上ベストのみならずロードコースレースでのベストレースだったと評価しています。

その他にSNSでは今回のレースを堪能したファンの様々な声がアップされています。
https://www.indycar.com/News/2018/07/07-30-Fans-love-Mid-Ohio-racing

抜けるミッドオハイオ

2018年07月31日



【ただ一人2ストップだったロッシ】
今年のロードコースでの平均燃費はMPG=3.1~3.2あたり。しかし、今回は26周走ってMPG=3.26で30周走るとMPG=3.89となり、他のコースよりもダントツで低燃費となります。燃費で有利と言われるホンダ勢はもしかしたら2ストップも可能かと言われていましたが、ポールスタートだったロッシがただ一人2ストップにチャレンジ。

一般的な見方としては、レース序盤や中盤に燃費走行してフルタンクで30周走れたとしても、勝負どころになるレース終盤では燃費やタイヤの消耗が悪化することが常ですが、今回はウィッケンズの不運も手伝って大きなマージンを持ったまま燃費走行に徹してそのままトップでフィニッシュしました。

ロッシはレース序盤でMPG=3.8以上走れることを確認し、ひたすらその数字をキープする作戦を選択。途中でニューガーデンにトップを譲るものの追いかけることなくペースを守りました。

ノーコーションもロッシに味方して2013年のキンボール優勝の時と同様に1ストップ減らして得られたピットストップデルタ分のマージンを燃費走行にさらに生かすことができました。

今回は優勝の50点にポールポジションボーナス1点、ラップリードボーナス1点、最多ラップリードボーナス4点を加えて満額の54点をゲットしてポイント3位から2位に浮上しています。


【またしても不運のウィッケンズ】
今季4回目、2レース連続表彰台だったウィッケンズ。またしても勝利を逃したと言った方が正しいでしょう。

3ストップで飛ばしていく作戦をとって早めの15周目に1回目のピットストップ。その後はクリーンエアを走ってロッシがピットインした後は20秒以上のマージンを得てラップリード。

しかし、ハードタイヤの3スティント目ではソフトタイヤを履くトラフィックの後ろにピットアウトしてしまい、ロッシからほぼ一秒落ちのラップタイムで15周近くを走行。最終スティントではロッシに20秒のリードを許していました。

優勝を取り逃したカタチになったものの、予選5位からの2位フィニッシュは作戦としては決して悪いものではなく、ポイントでは6位につけています。

【ディクソン攻略に徹したペンスキー勢】
ポイントでディクソンを追いかけるニューガーデンとパワーはディクソンの前でフィニッシュすることを最優先にレースを戦い、5位フィニッシュしたディクソンの前の4位と3位でフィニッシュ。優勝できなかったものの、最低限のミッションは完遂しています。

【ポイントリードをキープするディクソン】
ヒンチのクラッシュで予選アタックができず、予選9位に終わったディクソンは手堅く5位フィニッシュ。62点だったポイントリードを46点に詰められましたが依然として大きなリードをキープしています。

【フレンチ旋風】
予選のクラッシュで最後尾スタートになったブルデイ。ハードタイヤでスタートしてたった10周でピットイン。手元に残っていた新品レッドタイヤ3セットをフルに投入して飛ばして6位フィニッシュ。

レース序盤ではターン2でキンボールをアウトサイドパスした他、レース終盤のレイホール、パジェノー、ハンターレイをぶち抜くシーンは今回最大のハイライトでした。まともに予選を通過していればもっと面白いことになっていたかもしれません。

同じく予選で失敗したパジェノーも予選17位から8位フィニッシュしています。

【ベストグリッドからワーストフィニッシュしたチルトン】
キャリアベストとなる予選6位だったチルトンは2周目に琢磨選手に追突。ドライブスルーペナルティを受けた上に最初のピットストップで左前輪のホイールナットが外れずに最後尾に。

【ハードタイヤで苦労したレイホール勢】

追突で6位から17位まで転落した琢磨選手はハードタイヤで苦労してさらにポジションを落とすものの、最後にソフトタイヤで持ち直して17位フィニッシュ。チームメイトのレイホールも予選7位から9位フィニッシュと地元で厳しいレースに。

トリッキートロントレビュー

2018年07月17日



【ディクソンがポイントリードを倍に】
レース前は32点差でSディクソンがポイントをリードしていましたが、レースではポイントTOP5はディクソン以外はいずれも沈没。ポイント差を62点に広げて過去5勝を挙げている得意のミッドオハイオへ乗り込みます。

【トロント優勝経験者が撃沈】
過去2勝のSブルデイが19位。過去1勝のRハンターレイは16位。過去2勝のWパワーと去年のウィナーのJニューガーデンは共にDNF。

【3個目のフロントウイングを投入!】
ポイント3位だったAロッシは6回のピットストップを経て3個目のフロントウイングを投入して何とか8位フィニッシュ。

【カナダ人デュオ】
前回のアイオワでは2位につけながらも最後にピットインしてしまって5位フィニッシュに終わったRウィッケンズ。アイオワではピットアウト後に無線で「これで表彰台獲得?」と聞いたところ、ピットからは「いや、5位だ」との返答を受けてブチ切れでした。今回はプロドライバーとなってから初めての母国カナダでのレースで、Mアンドレッティのチャンボはあったものの3位表彰台に乗り、完全に機嫌を戻していました。

Photo:IndyCar

一方で先週のアイオワで優勝しているJヒンチクリフは途中、琢磨選手との接触があってトーリンクを曲げてしまったものの4位フィニッシュ。3位のウィッケンスと共にチームでTOP5に入ったことを上出来だと受けとめていました。

【カーリンベストフィニッシュ】
今シーズンからインディカーに参戦し始めたカーリンですが、今回はCキンボールが5位フィニッシュしてチーム初のTOP5フィニッシュを記録しました。

【もう一人のカナダ人】

ザカリー・クラマンデメロは最後尾の予選23位からノートラブルで走り切って14位フィニッシュし、今回のレース内容に非常に満足した様子。次回のミッドオハイオからは怪我から復帰するピエトロ・フィッティパルディと交代します。

【レイホールレターマンラニガン】
琢磨選手は単独クラッシュで、22位DNF。ターン1での”マルチカークラッシュ”に巻き込まれてサスペンションを破損したGレイホールはピットエリアで修理したのちにコースに復帰。琢磨選手よりも2周多く走って21位フィニッシュしています。次回のミッドオハイオはレイホール家の地元であり、アメリカホンダ最初の工場が操業を開始した地でもあります。

コンクリートキャニオン@トロント

2018年07月17日


Photo:IndyCar

多くのレースカーが足元をすくわれてウォールの餌食になったインディトロント。優勝したディクソンでさえも67周目にターン2でウォールにブラッシュしています。


特に最終ターンのターン11ではニューガーデン、佐藤琢磨、ピゴットの3選手が激しくヒットしてレースを終えています。

特にコース幅が1番狭いターン11はタイヤかす(マーブル)の吹き溜まりとなって、レースカーが通過するごとにその負圧によって走行ライン上にタイヤカスが引き出されます。

誰が、一度最終ターンでタイヤカスを拾ってしまうとターン3までは慎重に行かなくてはならないとコメントしていました。

琢磨選手はヒットしたダメージが大きくてピットまで自力走行はできないと判断して、レースカーをターン1先のプリンスゲート先に停めていましたが、安全確認後はレースカーのイグニッションがオフにされたためかピットからの無線に応じなくなってしまったようです。